夏になると、「土用の丑の日」という言葉をよく聞くと思います。
コンビニエンスストアやスーパーに、「土用の丑の日」というキャッチコピーとともにうなぎが並びますよね。
「土用の丑の日」には、どんな意味があるのでしょうか。
そして、家庭でうなぎをおいしく食べるコツもご紹介します。
「土用の丑の日」とは?
土用の丑の日という言葉、夏になるとスーパーなどでよく聞きますよね。
土用の丑の日を土曜の丑の日だと勘違いしてる人も意外と多いのではないかと思いますが、今や定番となった土用の丑の日ですが、一体どんな日なのでしょうか。
土用の丑の日にまつわるあらゆる疑問を解消していきましょう。
2020年はいつ?
土用とは、暦の上で立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ直前の18日間のことを指します。
土用は春夏秋冬と年に4回ありますが、一般的には夏の土用のうち十二支が丑の日を土用の丑の日と呼びます。
土用の期間は、地球と太陽の位置関係によって決まっているため、毎年土用の丑の日は変わってきますが、土用も丑の日も暦の上で定められています。
なので、2020年だけでなく、土用の丑の日はあらかじめ決まっています。。
2020年の土用の丑の日は、1月23日、4月16日、4月28日、7月21日、8月2日、10月25日、11月6日です。
2020年の夏の土用の丑の日は、7月21日、8月2日の2日間あります。
7月21日を一の丑、8月2日を二の丑と呼びます。
要するに、土用の丑の日は、季節の変わり目なのです。
土用の丑の日に「うなぎ」を食べる理由は?
土用の丑の日に、うなぎを食べる意味や由来についてご紹介します。
土用の丑の日に、夏バテ解消のためにうなぎを食べる風習があるんです。
実はこの風習は、1700年の江戸時代から続いています。
夏に売り上げが落ちると鰻屋から相談を受けた蘭学者の平賀源内が、店先に「本日丑の日」、土用の丑の日うなぎの日食すれば夏負けすることなしと掲げたことが始まりだったそうです。
うなぎは、ビタミンA、B1、B2、D、EやDHA、EPA、 鉄、亜鉛といったミネラルなど身体に大切な栄養素がたくさん含まれています。
うなぎは、夏バテ解消の疲労回復の効果が期待できることで有名ですね。
先ほども述べましたが、この疲労回復の効果を目的で土用の丑の日にうなぎを食べます。
また、うなぎには、疲労回復だけでなく、視力の低下や皮膚などを健康に維持する美容効果、脳卒中の予防、口内炎、丈夫な骨の維持、高血圧の予防などさまざまな効果もあるそうです。
家庭でうなぎをおいしく食べるコツ
市販のうなぎをおいしく食べるコツをご紹介していきます。
実は、うなぎの蒲焼の食べ方、焼き方は、関西と関東で異なります。
関東のうなぎの蒲焼は、グリルで焼いてふわふわに温め直すのが定番だそうです。
一方、関西のうなぎの蒲焼は、フライパンでサクッと揚げ焼きにするのが定番だそうです。
みなさんが温め直しによく使う電子レンジですが、うなぎを温めるには電子レンジは向いていません。
電子レンジで温めると、うなぎはかたくなってしまい、おいしくありません。
まず、関東風のうなぎの蒲焼の作り方をご紹介します。
うなぎをまずバットに入れます。
やかんで熱湯をかけてまずタレを取ります。
お湯は、うなぎがひたひたになるくらいの量が目安です。
これで冷えて固まっていたコラーゲンが柔らかくなるそうです。
お湯をかけた後はすぐに引き上げ、余分な水気はキッチンペーパーで拭き取ります。
うなぎがくっつかないようにアルミホイルに油を薄く塗って、その上にうなぎをのせ、酒小さじ2をふりかけます。
アルミホイルで包み、それを魚焼きグリルに入れて、3分ホイル焼きにします。
この時、IHの場合は、強火で余熱をしっかり入れてから焼きましょう。
出来上がったらうなぎにタレを塗り、アルミホイルを開封したままの状態で、再度1分間グリルで焼き、蒲焼の完成です。
続いては、関西風のうなぎの蒲焼の作り方をご紹介します。
最初に関東風と同じようにうなぎをバットに入れ、夜間で熱湯をかけ、タレを取ります。
お湯をかけたらすぐに引き上げ、余分な水分をキッンペーパーで拭き取ります。
ここまでは関東風と同じです。
続いて、フライパンに入れやすくするためにうなぎを半分に切ります。
フライパンに大さじ3強のサラダ油を入れ、強火で1分余熱します。
うなぎの身の部分を下にして、身の表面に薄く色付くまで焼きます。
色が付いてきたら裏返し、川の方を30秒ほど加熱します。
バットに移して、余分な油を拭き取りタレをかければ完成です。
土用の丑の日にうなぎ以外に食べるものは?
土用の丑の日というと、うなぎを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は土用の丑の日の行事食は、うなぎだけではありません。
現在でもうなぎは高価な食べ物と言えますが、昔はもっと値が張る食べ物でした。
そのためか、うなぎ以外の「う」の付く食べ物も土用の丑の日に食べるものとされています。
梅干し
梅干しも土用の丑の日の食べ物の1つです。
梅干しは昔から「番茶梅干し医者いらず」などと言われ、身体に良い食材として知られてきました。
梅干しのクエン酸が疲れをとり、食欲を増進、させます。
また、リンゴ酸やコハク酸といった栄養素も併せ持ち、夏バテ防止に効果があります。
うどん
うどんは、消化吸収に優れており、病後や胃腸の弱っているときのエネルギー源として最適な食べ物として知られています。
うどんは喉越しがよく、夏の食欲がない時でもサラッと食べられますね。
瓜
胡瓜(きゅうり)、西瓜(すいか)、冬瓜(とうがん)、南瓜(かぼちゃ)、苦瓜(にがうり)などの瓜類は、夏が旬の野菜です。
夏が旬の瓜類は栄養価が高く、水分やカリウムが豊富なので体の熱をとったり、利尿作用でバランスを整えるなど、夏の身体に適しています。
土用しじみ
しじみには、冬が旬のしじみと、夏が旬の土用しじみがあることをご存知ですか?
土用しじみは、栄養価が高く、肝臓の働きを助けることから「土用しじみは腹薬」とも呼ばれている食べ物なのです。
土用卵
土用卵とは、土用に産み落とされた卵のことをいいます。
卵は栄養価が高く、うなぎと同じく精がつく食べ物とされ、土用の丑の日の食べ物になったそうです。
土用餅
土曜餅とは、土用に食べるあんころ餅のことを指します。
昔、暑気あたりをしないようにと、ガガイモの葉を煮出した汁で餅米の粉を練り、丸めた餅を味噌汁に入れたものを土用の入りに食べるという風習がありました。
江戸時代に、餅を小豆餡で包んだあんころ餅に変わったそうです。
お餅は力餅、小豆は厄除けに通じるため、暑さに負けず無病息災で過ごせるということで、土用の丑の日にも食べられるようになりました。
さいごに
土用の丑の日の起源について、市販のうなぎを家庭でおいしく食べるコツについてをまとめました。
土用の丑の日は、江戸時代から続く風習で「う」の付く食べ物を食べて夏バテを防止しようという意味なのですね。
土用の丑の日は、うなぎを食べる日だと思っている人も多いですが、実はうなぎ以外にも土用の丑の日の行事食は、梅干し、うどん、瓜などがありました。
土用の丑の日には、みなさんこれらのものを食べて、夏を乗り切りましょう。
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