手紙や、ビジネス文の冒頭で用いる時候の挨拶。
その一つに、「初霜の候」があります。
初霜という漢字の意味合いから、秋の終わりから、冬の初め頃に使うのではないかと予想されます。
ですが、いつ頃使うのか、具体的な時期については、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
霜が降るころになると、いよいよ、冬が近づくことを連想しますよね。
そこで、今回は、「初霜の候」の読み方や意味、使える時期や具体的な挨拶文の例文などをご紹介します。
初霜の候の読み方と意味は?
「初霜の候」の読み方は、(はつしものこう)と読みます。
「◯◯の候」という時候の挨拶では、漢字の部分を音読みにするのが一般的ですが、「初霜の候」は、例外で、漢字の部分を訓読みにします。
他にも、「秋雨の候」、「秋晴の候」、「野分の候」なども、漢字の部分を音読みにします。
霜は、自然現象の一つで、空気中の水分や、地表の水分が冷たい空気で、結晶化したものです。
「候」は、天候や気候、自然現象を表す表現で、「◯◯の候」は、「◯◯の季節になりましたが‥」という意味が込められています。
したがって、「初霜の候」は、「初霜が降りるような季節になりましたが‥」という意味になります。
初霜の候の使える時期は?
「初霜の候」はいつからいつまで使えるのでしょうか?
初霜は、その年によって、降りる時期が異なりますし、地域によっても、差があるようです。
「初霜の候」は、霜が降るほど、朝晩が冷え込む時期ということです。
「初霜の候」を使用する具体的な時期については、二十四節気の霜降を過ぎたあたりがぴったりです。
霜降は、10月22日頃を指しますので、「初霜の候」の使える具体的な時期は、霜降から、立冬(11月7日頃)までとされています。
これは、「霜降の候」の使える時期と、ほぼ同じになります。
「初霜の候」の使える時期は、およそ2週間で、意外と短いので、タイミングを逃さないようにする必要がありそうです。
初霜の候を使った例文
ここでは、「初霜の候」を使った例文をビジネス、公的な手紙、上司や恩師への手紙、友人、知人への手紙の3つのシーンに分けて、例文をご紹介します。
ビジネス・公的な手紙
〔書き出し〕
拝啓 初霜の候、貴社、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
平素は、格別のご愛顧を賜わり、厚くお礼申し上げます。
拝啓 初霜の候、貴店、ますますご清栄の趣、大慶に存じます。
〔結び〕
貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。敬具
引き続き変わらぬご支援ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。敬具
上司・恩師に送る手紙
〔書き出し]
拝啓 初霜の候、日ごとに冷気が加わる今日この頃、皆様には、益々ご健勝のことと、お慶び申し上げます。
拝啓 初霜の候、紅葉が見ごろを迎える季節です。皆様、お変わりございませんか?
〔結び〕
向寒の折、くれぐれもご自愛ください。かしこ
小春日和の今日この頃、皆様、お健やかにお過ごしください。かしこ
友人・知人に送る手紙
〔書き出し〕
初霜の候 落ち葉が歩道を敷き詰める季節となりましたが、お元気でしょうか?
初霜の候、そろそろ暖房が恋しくなる季節、いかがお過ごしですか?
〔結び〕
向寒の折、お体を大切に。
朝夕の冷え込みが厳しくなって参りました。くれぐれもお体、大事に。
さいごに
「初霜の候」は、秋に使える時候の挨拶です。
「初霜の候」の読み方は、漢字の部分を訓読みにして、(はつしものこう)と読みます。
これは、時候の挨拶の中では、例外的な読み方となります。
「初霜の候」の意味は、「初霜が降りるような季節になりましたが‥」という意味になります。
候は、天候、気候、季節を表す表現で、「◯◯の候」は、「◯◯の季節になりましたが‥」という意味が込められています。
「候」の同類語には、「◯◯の折」、「◯◯のみぎり」があります。
「初霜の候」の使える時期は、霜降(10月22日頃)から、立冬(11月7日頃)までになります。
2週間程度と意外と短いので、タイミングを逃さないようにしましょう。
ということで、あなたも、この秋、「初霜の候」を使って、冬が近づく季節に、お相手の体調を気遣う手紙を出してみてはいかがでしょうか?
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