手紙や、ビジネス文を書くときに使う時候の挨拶。
その一つに、「氷雨の候」があります。
初雪という漢字のニュアンスから、なんとなく、冬に使う時候の挨拶かなと思っている方も、多いのかもしれませんね。
時候の挨拶は、使う時期を間違えると、お相手に、失礼になることもあります。
ですので、使える時期を正しく知っている必要がありそうです。
ということで、今回は、「氷雨の候」の読み方と意味、使える時期や、ビジネス文の具体的な例文などをご紹介します。
氷雨の候の読み方と意味は?
氷雨の候の読み方は、(ひさめのこう)です。
時候の挨拶は、漢語調の表現であるため、漢字の部分を音読みにするのが一般的です。
ですが、これは、音読みではないため、例外的な読み方になります。
氷雨は、よく使われますが、はっきり意味をご存知の方は、少ないのではないでしょうか。
氷雨は、雹や霰のことで、夏の季語でもあります。
もう一つには、冷たい雨やみぞれという意味もあり、これは、晩秋から初冬に降る雨を指しています。
時候の挨拶の場合は、冷たい雨、みぞれという意味で、秋の季語とされています。
候は、気候、天候、時節という意味合いが込められています。
「〇〇の候」は、「〇〇の季節になりましたが‥」という意味になります。
「候」の同類語には、「〇〇のみぎり」、「〇〇の折」があります。
ということで、「氷雨の候」の意味は、「冷たい雨が降る季節になりましたが‥」となります。
氷雨の候が使える時期は?
氷雨の候を使う具体的な時期は、いつ頃になるのでしょうか?
氷雨の候は、二十四節気の中に、存在しません。
ですので、使える時期の明確な区切りに、決まりはありません。
氷雨の意味として、晩秋から初冬にかけて降る冷たい雨ということになります。
氷雨の候は、主に11月に使える時候の挨拶です。
つまり、初冬の時期に使います。
初冬は、旧暦の10月とされ、新暦に置き換えると、10月下旬から12月上旬頃に該当します。
ですので、10月下旬から、12月上旬に使っても構いません。
ただし、受け手が理解していない場合もありますので、使うのは、11月いっぱいにしておくと良いと思います。
氷雨の候を使った例文
ここでは、「氷雨の候」を使った例文をビジネス・公的な手紙、上司・恩師に送る手紙、友人・知人に送る手紙の三つのシーンに分けて、ご紹介します。
ビジネス・公的な手紙
〔書き出し〕
拝啓 氷雨の候、落ち葉の散りゆく季節、貴社、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
拝啓 氷雨の候、貴社、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
〔結び〕
夜間の折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。敬具
寒さも身にしむころ、皆様お健やかにお過ごしください。敬具
上司・恩師に送る手紙
〔書き出し〕
拝啓 氷雨の候、秋も深まり、寒さが身にしみる季節となりましたが、皆様、お変わりございませんか?
拝啓 氷雨の候、ゆく秋の感慨も深くなる折、いかがお過ごしでしょうか?
[結び]
天候不順の折、体調を崩されませんようご自愛ください。かしこ
夜寒が身にしみる季節となりました。お体には、お気を付けください。かしこ
友人・知人に送る手紙
〔書き出し]
氷雨の候、皆様、ますますご健勝でお過ごしのことと思います。
氷雨の候、木枯らしに、冬の訪れを感じる季節になりました。お元気ですか?
〔結び〕
朝晩の冷え込みが厳しくなりました。お体おいといください。
冬支度に忙しい時期、お体には、どうか、気を付けてください。
さいごに
「氷雨の候」の読み方は、「ひさめのこう」と読みます。
時候の挨拶は、漢字の部分をお読みにするのが一般的ですが、この時候の挨拶は、例外的な読み方と言っていいと思います。
氷雨の意味は、冷たい雨、みぞれを表しています。
「候」は、天候、気候、季節を表す言葉で、「〇〇の候」は、「〇〇の季節になりましたが‥」という意味合いが込められています。
ですので、「氷雨の候」は、「冷たい雨、みぞれが降る季節になりましたが‥」という意味になります。
氷雨の候の使える時期は、およそ11月です。
新暦では、10月下旬から使えます。
「氷雨の候」が冷たい雨の降る季節という意味であることから、11月の雨の多い天候の時に使うと、ぴったりだと思います。
ということで、あなたも、「氷雨の候」を使って、親しい方や、友人に、お相手の体調を気遣う手紙を出してみては、いかがでしょうか?
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