手紙やビジネス文など、改まったシーンで使う時候の挨拶。
その1つに、「菊花の候」があります。
「菊の花が香る頃」ということで、なんとなく、9月頃なのかなとイメージする方も、多いかもしれません。
そこで、今回は、「菊花の候」の読み方と意味、使える時期や、挨拶文の具体的な例文などをご紹介したいと思います。
菊花の候の読み方と意味は?
菊花の候の読み方ですが、これは、漢字の部分を全て音読みにして、(きっかのこう)もしくは、(きくかのこう)と読みます。
菊花は、文字通り、菊の花を意味しています。
中国では、古来より、菊の花は、長寿や健康の象徴とされてきました。
菊の花を使って、菊酒や、菊の着せ綿などで、不老長寿を祈願していました。
菊の花は、花の中でも、特別な存在なのじゃないかと思います。
「候」は、天候や、季節を表す言葉で、「◯◯の候」は、「◯◯の季節になりましたが‥」という意味合いが込められています。
したがって、「菊花の候」は、「菊の花の咲く季節」または、「菊の花が香る季節になりましたが‥」という意味になります。
菊花の候の使える時期は?
菊花の候を使う時期は、いつからいつまでなのでしょうか?
ちょうど、重陽の節句の頃と重なっています。
それは、旧暦の9月9日ころということになります。
つまり、現行暦では、10月下旬から、11月中旬辺りと考えておくと良いと思います。
菊の花が咲く時期が、基本、10月から11月なので、「菊花の候」が使えるのは、遅くても、11月いっぱいとなります。
二十四節気では、霜降(10月24日頃)〜立冬(11月7日頃)と同じ時期になります。
菊花の候を使った例文
ここでは、「菊花の候」を使った例文をビジネス、公的な手紙、上司や恩師への手紙、友人、知人への手紙の3つのシーンに分けて、例文をご紹介します。
ビジネス・公的な手紙
〔書き出し〕
拝啓 菊花の候、貴社、ますますご繁栄のこと、心からお喜びお慶び申し上げます。
平素は、格別のご厚情を賜り、感謝いたしております。
拝啓 菊花の候、街路樹の落ち葉が舞い散る季節になりました。お健やかにお過ごしのことと、存じます。
〔結び〕
秋晴れの清々しい日々、皆様のご健勝と、貴社のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。敬具
天候不順の折、社員の皆様には、一層のご健勝をお祈りいたします。かしこ
上司・恩師に送る手紙
〔書き出し]
拝啓 菊花の候、朝夕は寒さが身にしみるようになりましたが、皆様、お変わりなく、お過ごしのことと存じます。
拝啓 菊花の候、夜の寒さが一段と応える時節になりました。◯◯様には、お変わりございませんか?
〔結び〕
末筆ながら、皆様方のご健勝をお祈りいたします。敬具
時節柄、皆様のご無事息災を心よりお祈りいたします。かしこ
友人・知人に送る手紙
〔書き出し〕
菊花の候、虫の鳴き声も、いつしか消え、晩秋の冷気を感じる季節になりましたが、お元気ですか?
菊花の候、朝夕は、ひときわ、冷え込む季節になりましたが、お変わりありませんか?
〔結び〕
朝晩は、寒くなってまいりました。お体にお気をつけて、お過ごしください。
鮮やかな紅葉の季節、どうぞお健やかにお過ごしください。
さいごに
「菊花の候」は、秋に使える時候の挨拶です。
菊花の読み方は、漢字の部分を全て音読みにして、(きくかのこう)または、(きっかのこう)と読みます。
菊花は、文字通り、菊の花のこと。
中国では、古来から、菊の花は、健康長寿の象徴とされてきました。
「候」は、季節、天候を表す言葉で、「◯◯の候」は、「◯◯の季節になりましたが‥」という意味合いになります。
ですので、「菊花の候」は、「菊の花の咲く季節になりましたが‥」という意味になります。
「菊花の候」の使える時期は、旧暦の9月9日頃で、新暦で言うと、10月下旬から、11月中旬頃になります。
二十四節気の霜降(10月22日頃)から、立冬(11月7日頃)までの時期に使うのがぴったりです。
ということで、この秋、あなたも、「菊花の候」を使って、親しい方や友人に、近況を伺う手紙を書いてみてはいかがですか?
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