新しい年を迎え、年賀状の季節が終わると、その次は、寒中見舞い、余寒見舞いを書く季節になります。
この時期には、ビジネス文だけでなく、手紙のやり取りも、増えていきますよね。
そんなときに使えるのが時候の挨拶。
その一つに、孟春の侯があります。
なんとなく春に使えるのかなと予想できますが、あまり耳慣れない言葉なので、意味や使える時期を正しく知っている方は、意外に少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、孟春の侯の読み方と意味、使える時期や、ビジネス文の具体的な例文などをご紹介します。
孟春の候の読み方と意味は?
「孟春の候」は、漢語調の挨拶ですので、読み方は、漢字の部分を全て音読みにして、(もうしゅんのこう)と読みます。
孟春は、春の初め、初春の同類語で、陰暦の正月(1月)の異称とされています。
つまり、旧暦で、春とされる1月、2月、3月のうち、最初の月である1月を指しています。
旧暦の2月は、仲春、3月は、晩春と呼ばれます。
新暦では、1月下旬から3月上旬が春にあたります。
旧暦と新暦では、1か月から2か月ぐらいのズレがあります。
孟は、あまり使い慣れない漢字ですが、最初という意味になります。
侯は、天候、気候、季節を表す表現で、時候の挨拶では、「〇〇の季節になりましたが‥」という意味が込められています。
ですので、孟春の侯、全体の意味としては、「そろそろ、旧正月の時期を迎えましたが‥」や「季節は、春の初めを迎えましたが‥」という意味になります。
孟春の候が使える時期は?
「孟春の候」を使える時期は、いつからいつまでなのでしょうか?
「孟春の侯」の使える具体的な時期は、新暦の1月下旬から、3月上旬頃までとなります。
二十四節気で言うと、立春から啓蟄の前の日までという考え方もできます。
つまり、2月4日頃から、3月5日頃となります。
寒さがピークにあたり、それ以降、徐々に暖かくなる立春を目安に使うのが最も適しています。
時候の挨拶においては、旧暦を基準にしているため、使う時期を間違わないように、気をつけましょう。
孟春は、立春の頃を目安に、使われ始める表現なのです。
孟春の候を使った例文
ここでは、「孟春の侯」を使った例文をビジネス・公的な手紙、上司恩師に送る手紙、友人・知人に送る手紙の3つのシーンに分けて、ご紹介していきます。
ビジネス・公的な手紙
〔書き出し〕
拝啓 日脚伸ぶ、立春の候、貴社におかれましては、益々ご隆盛のことと、お慶び申し上げます。
拝啓 早春の候、三寒四温のこの頃、貴社におかれましては、ご健勝のこととお慶び申し上げます。
〔結び〕
余寒なおきびしき折、風邪など召されませぬようご自愛ください。敬具
三寒四温の折柄、ご自愛専一にて、益々ご活躍ください。敬具
上司・恩師に送る手紙
〔書き出し〕
拝啓 孟春の侯、梅の蕾が膨らみ始め、春の兆しを感じるころ、〇〇様には、一層、ご清祥のことと存じます。
拝啓 孟春の侯、〇〇様におかれましては、益々、ご清福にお過ごしのことと、お慶び申し上げます。
〔結び〕
梅の便りが聞かれる昨今、皆々様の益々のご健勝を心よりお祈りいたしております。敬具
寒さの中にも春の兆しが感じられる昨今、どうぞお健やかにお過ごしください。敬具
友人・知人に送る手紙
〔書き出し〕
孟春の侯、余寒、厳しい折、お障りなくお過ごしですか?
孟春の侯、厳しい寒さが残るものの、暦の上では、春を迎えました。いかがお過ごしですか?
〔結び〕
寒気冴え返る時節ゆえ、何卒ご自愛下さい。
幸多き春の門出となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
さいごに
「孟春の侯」は、春の初めに使う時候の挨拶です。
「孟春の侯」の読み方が漢字の部分を全て音読みにして、(もうしゅんのこう)と読みます。
孟春は、春の初め、初春と同じ意味で、旧暦の1月の異称とされています。
侯は、天候、気候を表す表現で、時候の挨拶では、「〜の季節になりましたが‥」といった意味が込められています。
ですので、「孟春の侯」全体の意味としては、「そろそろ旧正月の時期を迎えましたが‥」や「季節は春の初めを迎えましたが‥」という意味になります。
「孟春の侯」の使える時期は、2月4日頃から、3月5日頃ということになります。
ということで、あなたも、この春、「孟春の侯」を使って、春のはじまりの徐々に暖かくなる頃に、お相手の近況を伺う手紙を書いてみてはいかがでしょうか?
きっと、喜ばれると思いますよ。
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