手紙や、ビジネス文章を書く際に用いるのが時候の挨拶。
その一つに、孟冬の候があります。
孟冬という漢字のニュアンスから、なんとなく、冬に使うのかなというイメージがありますね。
ですが、孟冬の候を使える正確な時期をご存知の方は、意外と少ないかもしれません。
時候の挨拶を使える時期が限られているため、正しい時期に使う必要があります。
ということで、今回は、孟冬の候の読み方と意味、使える時期やビジネス文の具体的な例文などについて、お伝えします。
孟冬の候の読み方と意味は?
孟冬の候は、時候の挨拶の中でも、漢語調の表現ですので、漢字の部分を全て、音読みにして、「もうとうのこう」と読みます。
孟という字は、あまり使わないですが、時期や季節の始めという意味があります。
ですので、孟冬は、冬の初めの時期を表しており、初冬と同じ意味です。
猛烈などの猛と、字が似ているため、ものすごく寒い冬と思ってしまう方もいるかと思いますが、そうではないので、注意してください。
孟冬の他に、孟春、孟夏、孟秋という言葉もあります。
これらはみな、同じように、それぞれの季節のはじめを示しています。
候は、天候、気候を表す言葉で、「〇〇の候」は、「〇〇の季節になりましたが‥」という意味合いが込められています。
ですので、孟冬の候は、「冬の初めの季節になりましたが‥」という意味になります。
孟冬の候が使える時期は?
「孟冬の候」の使える具体的な時期は、10月上旬から12月上旬頃までです。
孟冬は、旧暦で、10月の異称とも言われ、新暦では、10月下旬から12月上旬頃を示しています。
立冬(11月7日)以降が旧暦では、冬になりますので、それ以降に使われるのが一般的です。
また、12月7日頃には、(大雪)となり、雪が激しく降り始めるころですので、孟冬の候が使えるのは、12月上旬までになります。
初冬の候を使うのが一般的ですが、孟冬の候を用いると、ちょっと上級者に見えます。
孟冬の候を使った例文
ここでは、「孟冬の候」を使った例文をビジネス・公的な手紙、上司・恩師に送る手紙、友人・知人に送る手紙の三つのシーンに分けて、ご紹介します。
ビジネス・公的な手紙
〔書き出し〕
拝啓 孟冬の候、貴社、ますます、ご繁栄のことと、心からお喜び申し上げます。
平素は、ひとかたならぬご厚情を賜り、厚く感謝いたしております。
拝啓 孟冬の候、貴社の皆様には、お健やかに新しい年をお迎えのことと、お慶び申し上げます。
〔結び〕
末筆ながら、皆様方のご健勝をお祈りいたしますとともに、今後なお一層、ご愛顧のほど、よろしく申し上げます。敬具
向寒の折、くれぐれもご自愛くださいますよう、お願い申し上げます。敬具
上司・恩師に送る手紙
〔書き出し〕
拝啓 孟冬の候、貴社、ますますご隆盛のことと、お慶び申し上げます。
平素は、格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。
拝啓 孟冬の候、貴殿におかれましては、益々ご健勝の由、何よりと存じます。
[結び]
時節柄、皆様方のご無事息災を心よりお祈りいたします。かしこ
向寒の季節、くれぐれもお体をおいといくださいますよう、お祈り申し上げます。かしこ
友人・知人に送る手紙
〔書き出し]
孟冬の候、秋も一段と深まり、だんだん寒さに向かいますが、お元気ですか?
孟冬の候、肌寒い日が続きますが、いかがお過ごしですか?
〔結び〕
本格的な寒さに向かう時節、風邪など召されませぬようお祈り申し上げます。
木枯らしの季節です。どうか、お健やかにお過ごしください。
さいごに
「孟秋の候」は、冬の初めに使える時候の挨拶です。
「孟冬の候」の読み方は、漢字の部分を全て音読みにして、孟冬の候と読みます。
孟冬とは、冬の初めの時期を表しています。
候は、天候、気候を表す言葉で、「〇〇の候」は、「〇〇の季節になりましたが‥」という意味になります。
ですので、「孟冬の候」は、「冬の初めの時期になりましたが‥」という意味になります。
孟冬の候の使える時期は、立冬(11月7日頃)から、大雪(12月7日頃)までになります。
ということで、あなたも、この冬、「孟冬の候」を使って、冬の始まりの時期に、お相手の健康を気遣う手紙を出してみてはいかがでしょうか?
きっと、喜ばれると思いますよ。
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