二百十日は農業に携わる人以外には馴染みのない日ですが、古くから様々な行事や祭りが行われる大事な節目です。
立春を起算日として210日目であり、日付ではおおよそ9月1日です。
迷信では台風、もしくは強風になることが多いと言われています。
今年の天候はどうなるのでしょうか?
2020年はいつ?
2020年の二百十日は8月31日です。
二十四節気の立春の2月4日か5日から数えて210日目の日です。
平年なら9月1日、閏年なら8月31日、より長いスパンで見るとこのパターンは崩れることがあります。
変化幅は広がり8月31日から9月2日までが存在します。
二百十日とは?
この時期は稲の開花する重要な時期ですが、農作物に莫大な被害を与える台風の季節でもあります。
毎年多くの農家が大ダメージを与えられています。
そんな経験から、毎年油断することがないようにと考えられたのが二百十日だったのです。
また鎌が風の力を萎えさせると信じられていたことから、屋根の上や軒先に鎌を取り付けたり竹竿の先に鎌をつけたりする風習もあります。
意味や由来
過去の経験から、農家にとって油断してはいけないこの頃を厄日と決めて戒めるようになったのです。
台風被害に対して油断をせず、二百十日を戒めるようになったのは農家だけではありません。
漁師にとっても台風の中出港したら、生死に関わる問題が出てくるので海に出るときの戒めにもなっていたそうです。
世間では台風の特異日などとも呼ばれています。
「二百十日」は季節の移り変わりの目安となる季節点のひとつに制定されています。
農作物に莫大な被害を与えた台風の経験から「決して気を緩めることのないように過ごそう」とこの日を厄日としたことが由来のようです。
この雑節は伊勢の漁師たちが長年の経験から凶日としたといわれていて、暦に記載されるようになったのは江戸時代からだそうです。
台風が来て天気が荒れやすいと言われていて、夏目漱石の中篇小説『二百十日』でも二百十日の荒天(台風とは明言されていない)が描かれています。
台風襲来の日とされ、奈良県で行う「風鎮祭」富山県の「おわら風の盆」など各地で風鎮めの祭が催されてきました。
ですがこの日に台風が必ず多いという事実はなく、むしろ8月下旬と9月中旬の方が台風の観測は多く二百十日ごろの台風は実は少ないのです。
気象学者はこの頃が稲の出穂期に当たり、強風が吹くと減収となる恐れがあるために注意を喚起する意味を持って「二百十日」と言われはじめたのあろうとしています。
防災の日との関係
9月1日は「防災の日」であることも忘れてはなりません。
「防災の日」は1923年9月1日に発生した関東大震災にちなんで1960年に制定されました。
関東大震災での犠牲者の慰霊、そして天災に備えた避難訓練や防災用品の点検などをする日でもあります。
「防災の日」が制定される前年は、伊勢湾台風が襲来しています。
伊勢湾台風では死者行方不明者おおよそ5100人、負傷者おおよそ39000人でした。
この災害をきっかけに災害対策基本法が制定されたのです。
二百十日は農家の三代厄日
旧暦8月1日の「八朔」「二百十日」「二百二十日」を農家の三代厄日としています。
二百十日から十日経っても台風の襲来は多いので、「二百二十日」も警戒されています。
現在のように台風の予測が不可能だった時代では、人々はこの日を警戒し恐れていました。
そのため風を鎮める祭りを行い収穫の無事を祈るようになったことから始まりました。
2020年の「二百十日」は8月31日、「二百二十日」は9月10日、「八朔」は9月17日です。
二百十日に行われる風祭り
農作物を守るため、収穫を祈るための祭りは現在も全国各地に残っています。
風を鎮めるための祭りで有名なのが富山県八尾町で行われてい「おわら風の盆」という風祭りです。
独特の風情が人気を呼び、小説や歌にもよく登場しています。
「おわら風の盆」は風を鎮める豊年祈願と夏の風物詩盆踊りが融合した娯楽のひとつとして愛されてきました。
その歴史はなんと300年以上だそうです。
坂の町・やおの古く美しい街並みに胡弓の哀愁漂う音色が響き渡り、「越中おわら節」にのせて男女が踊り歩きます。
誰もが楽しむことのできる「豊年踊り」優雅な「女踊り」勇敢な「男踊り」があります。
男女ペアの艶やかな踊りが見れるのもこの祭りの醍醐味でしょう。
さいごに
昔からの3つの厄日は、昔の経験ではなく現代の日本の自然災害とも深く結びついています。
台風の被害が多いこの時期は特に注意をしなければいけません。
現代の科学でもいつどこでどんな異常気象が発生し、震災や災害に見舞われるかわかりません。
「防災の日」をきっかけに今一度、非常持ち出し袋の中身の点検をしておきましょう。
いざという時のために備蓄している非常食にも消費期限はあるので、一定期間が経ったものから処分しなくてはいけません。
いざという時に非常食が古すぎて食べれないなんてことになったら大変なので、気をつけましょう。
災害時の連絡手段、避難場所、経路、家族との待ち合わせ場所なども確認しておくと安心ですね。
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