お盆でよくなすやきゅうりに足が生えている飾り物を見かけますよね。
それはなぜなのか、どういった意味があるのか、昔からの言い伝えなどを紹介していきます。
お盆は故人,ご先祖様にとって凄く大切な日になるのでぜひ最後まで読んでみて下さい。
お盆に飾る「なす」と「きゅうり」の意味は?
なぜお盆になすときゅうりを飾るのかということを詳しく説明していきます。
まず、お盆の時期は亡くなった方が帰ってくるとされていますよね。故人が、家に戻ってくる時に行き来する乗り物が必要なため作られたと言われています。
「霊が戻って来られる時にはきゅうりの馬に乗って一刻も早く家に帰って来てもらい、
少しでも長くこの世にいてもらいたい、帰る時にはなすの牛に乗って景色を楽しみながら
ゆっくりと帰ってもらいたい」
という願いが込められているんです。
下で詳しく紹介していきますね。
「精霊牛」と「精霊馬」
お盆の際に飾る、きゅうりで作った馬のことを「精霊馬(しょうりょううま)」といわれており、なすで作った牛のことを「精霊牛(しょうりょううし)」といいます。
この精霊牛と精霊馬を置く意味というものは地域によって異なります。
①ご先祖様をお迎えするために「精霊牛」を用意し、帰りは迷わずに帰ってもらうために
「精霊馬」用意する。
②故人やご先祖様の霊は行き帰りどちらもきゅうりの馬に乗り、なすの牛には供養するためのお供え物などの荷物を載せて帰るものとして用意する。
このように意味はその土地によって変わってくるのですが、どちらにせよご先祖様が楽に行き来をできるように、少しでもこの世で過ごす時間を多くとれるようにという意味を込めて作られているものになります。
なぜ「なす」と「きゅうり」なの?
言い伝えは分かるけどなぜなすときゅうりで用意するの?ということが気になる人もいると思います。
その理由は簡単なもので、夏野菜として"なすやきゅうり"はお盆の時期に多く収穫されるため入手するのが簡単だったためと考えられています。
旬のお野菜ということで、お供え物として適していました。
なすときゅうりでないといけない!というわけではなく旬の食材だったということで凄く深い意味があるというわけではないようです。
しかし、沖縄ではさとうきびをお供えするので地域のよってお供えするのものが分かる可能性もあるので調べておきましょう。
精霊牛・精霊馬の作り方
続いて作り方を紹介していきます。
・なす
・きゅうり
・割り箸(or爪楊枝)
○精霊牛
① 割り箸1本を4等分に折っていきます。もし、爪楊枝を使う時には8本用意しておきます。
② なすはへたの方を頭とします。そこで4等分に折った割り箸か爪楊枝(4本)をお腹の部分に刺していきます。
○精霊馬
①は同じ
②きゅうりのへたの方を頭とします。なすと同じでお腹の部分に4等分に折った割り箸か爪楊(4本)を刺します。
※前後の間を少し多めに取ると足が速そうな馬に見せることができます
作り方はこのようになっています。思っているよりも簡単に作ることができます。気持ちを込めて作っていきましょう。
精霊牛・精霊馬の飾り方
一般的に精霊棚(盆棚)におくものといわれています。
○精霊棚に置く場合
13日のお迎えの日にはどちらも頭を自宅の方に向けます。そして16日のお送りのときには頭を外側に向けて置きます。 お迎えとお送りで向きが違うことは頭に入れておきましょう。
そして置く場所については、両端に置く場合,右端の奥に精霊牛を置き手前に精霊馬を置く場合,一番奥に2頭を一緒に置く場合など地域によって変わっていきます。
しかし精霊棚に置くだけでなく、こちらも地域によって、門や玄関先に飾ることもあります。
ちなみに、浄土真宗という宗派では、お盆のなすときゅうりを飾らないといわれています。
浄土真宗の教えに「お盆に亡くなったご先祖様などの霊が帰ってくることはない」というものがあるそうです。
そのため、お迎えやお送りするなすやきゅうりも飾ることはないと考えるんだそう。
もちろん浄土真宗の家でも飾るところもあるかもしれません。
お盆に亡くなったご先祖様などの霊が帰ってくることはないというのは、浄土真宗だけでなく、仏教の教えでは亡くなった人が仏や霊となるという考えはないんだそう。
お盆という行事は仏教的行事といわれていますが、日本の信仰がルーツにあり、それが仏教の要素を含めたものとなったんだそうです。
実際に、自分の地域がどのように飾る地域なのかということを事前にチェックしておきましょう。
精霊牛・精霊馬の処分方法にも注意を!
続いて、終わった後の処分方法についてまとめていきます。
・16日のお送りの日に精霊流しとして川や海に流す(地域によっては条例違反になるので事前チェックが必要)
・16日のお送りの日に他のお供え物と一緒に送り火で燃やす方法
・他のお供え物と一緒に菩提寺に持って行く
・土に埋める
・半紙など白い紙に清め塩と一緒に包んで捨てる
北海道から中部地方では、迎え盆ではなく16日の送り盆に精霊馬を作り、お供え物と一緒にすぐに川や海に流していたそうです。
そして、関東地方では13日の迎え盆に精霊馬を作り、送り盆に流すのが一般的です。川や海に精霊馬を流すことができないため、土に埋めたり、塩などで清めたりして処分しています。
このように地域によってもどうやって処分するのかが変わってくるので気をつけて事前に調べておきましょう。
※食べるなどは絶対にしてはいけません
さいごに
お盆の準備はなるべく早めにすることで焦らずにお盆を迎えことができるので、今からこのようなことを知っておくといいと思います。
ぜひ今年のお盆は精霊牛と精霊馬を作ってしっかりと心を込めて準備をしてみてください。