手紙やビジネス文において、日本ならではの季節感をもたらしてくれる時候の挨拶。
その一つに、「立冬の候」があります。
立冬は、いわゆる旧暦の二十四節気の一つにもなっていて、使う時期が限られています。
ですので、正しい時期に使わないと、送り先に良い印象を持ってもらえないと思います。
そこで、今回は、「立冬の候」の読み方や意味、使える時期や、ビジネス文の具体的な例文などについて、ご紹介します。
立冬の候の読み方と意味は?
「立冬の候」の読み方は、漢字の部分を全て音読みにして、(りっとうのこう)と読みます。
立冬は、二十四節気の一つで、よく使われる表現ですので、聞き慣れていて、読み方を間違えることはまずないでしょう。
立冬は、毎年11月7日頃を示しており、この頃を境に、暦の上では、冬になります。
旧暦では、立冬から立春の前日までの季節を冬と呼んでいます。
「候」は、季節や時節、自然現象を表す言葉です。
「〜の候」は、「〜の季節になりましたが」という意味合いが込められています。
ですので、「立冬の候」の意味は、「いよいよ冬の季節を迎えましたが‥」という意味になります。
向寒の候が使える時期は?
「立冬の候」を使える具体的な時期は、11月7日から11月21日頃までになります。
二十四節気は、その日、その当日だけを示すこともありますが、一定の期間を意味することもあります。
立冬の次の季節は、小雪で、11月22日頃を示しています。
ですので、その前日までが立冬を使える時期になります。
立冬のように、二十四節気を含む時候の挨拶では、使える時期がはっきり決まっていますので、とてもわかりやすいですね。
新暦では、12月から2月を冬としていますが、旧暦では、10月から12月を冬としていました。
ですので、新年を迎えると、初春や新春などと、春を使った表現を使うのです。
立冬は、使える時期が意外に短いので、注意が必要です。
立冬の候を使った例文
ここでは、「立冬の候」を使った例文をビジネス・公的な手紙、上司・恩師に送る手紙、友人・知人に送る手紙の三つのシーンに分けて、ご紹介します。
ビジネス・公的な手紙
〔書き出し〕
拝啓 貴社、ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
拝啓 立冬の候、貴社、ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
〔結び〕
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。敬具
貴社のなお一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。かしこ
上司・恩師に送る手紙
〔書き出し〕
拝啓 立冬の候、まるまる様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
拝啓 立冬の候、肌寒くなる今日この頃、〇〇様には、いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
[結び]
今後とも、旧にまさるご高配をお願い申し上げます。かしこ
時節柄、どうかご自愛くださいませ。かしこ
友人・知人に送る手紙
〔書き出し]
立冬の候、吐く息も白くなり、冬が近づいていることを感じています。お元気ですか?
立冬の候、紅葉の綺麗な季節になりました。いかがお過ごしですか?
〔結び〕
木枯らしが吹きすさぶ季節、お体を大切にしてください。
向寒の折柄、お体おいといください。
さいごに
「立冬の候」の読み方は、漢字の部分を全て音読みにして、(りっとうのこう)と読みます。
よく使う表現なので、読み方は、それほど難しくないと思います。
立冬は、まさに、冬の始まりの季節を表しています。
候は、季節と時節、天候などを表す言葉で、「〇〇の候」は、「〇〇の季節になりましたが‥」というニュアンスで使います。
ですので、「立冬の候」は、「いよいよ、冬が始まる季節になりましたが‥」という意味になります。
「立冬の候」の使える時期は、立冬(11月7日頃)から、小雪(11月22日頃)の前日までとなります。
「立冬の候」は、二十四節気にある季節の一つなので、使える時期がはっきり決まっていて、分かりやすいですね。
ということで、あなたも、この秋、「立冬の候」を使って、親しい方や友人に、冬の始まりを告げる手紙を書いてみてはいかがですか?
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