手紙や、ビジネス文などで使われる表現に時候の挨拶があります。
日本独特の文化の一つといえると思います。
そんな時候の挨拶の一つに、「歳晩の侯」があります。
漢字のニュアンスから、なんとなく歳末に使うのかなと考える方も多いのではないでしょうか?
時候の挨拶は、使う時期が限られているので、使う時期を間違えると、お相手に好印象を持ってもらえなくなります。
ですので、使える正確な時期を知っておく必要があります。
ということで、今回は、「歳晩の侯」の読み方や意味、使える時期や、挨拶文の具体的な例文などについて、ご紹介したいと思います。
歳晩の候の読み方と意味は?
「歳晩の侯」は、漢語調の表現ですので、完全な部分も全て音読みにして、(さいばんのこう)と読みます。
歳晩は、歳末、年末、年の暮れといった意味で一年の終わりを示しています。
また、冬の季語でもあります。
晩という言葉は、日がくれた時、つまり、夜を表しています。
晩を使った他の表現には、晩夏、大器晩成などがあり、いずれも、時期が遅いとか、遅れるとかいう意味を持っています。
歳晩の候が使える時期は?
歳晩の候を使う具体的な時期は、歳末、つまり、12月になります。
それも、12月の下旬、本当に歳の終わり、年の暮れに使う時候の挨拶です。
その年の最後の挨拶をすると覚えておくとよいでしょう。
季節の挨拶を表す手紙の場合は、12月中旬ぐらいにポストに投函するのが良いと思います。
年賀状の仕分けも始まる慌ただしい時期でもありますので、忘れないように気をつけたいですね。
歳晩の候を使った例文
ここでは、「歳晩の候」を使った例文をビジネス・公的な手紙、上司・恩師に送る手紙、友人・知人に送る手紙の三つのシーンに分けて、ご紹介します。
ビジネス・公的な手紙
〔書き出し〕
拝啓 歳晩の侯、師走の慌ただしい季節、貴社、いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃は、格別の御厚情を賜り、心より感謝しております。
拝啓 歳晩の候、寒さもひとしお身にしみるころとなりましたが、御一同様には、ご活躍のこととお慶び申し上げます。
〔結び〕
まずは、略儀ながら、書中をもちまして、ご挨拶申し上げます。敬具
今後とも、幾久しく、お引き立てくださいますようお願い申し上げます。かしこ
上司・恩師に送る手紙
〔書き出し〕
拝啓 歳晩の候、今年も残りわずかになりました。皆様ご清祥のことと存じます。
拝啓 歳晩の候、今年も余すところ、わずかとなり何かとお忙しい、今日この頃、皆様には、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
[結び]
寒さが厳しくなります折、お体には、ご留意なさってください。敬具
心慌ただしく忙しい毎日です。ご自愛ください。かしこ
友人・知人に送る手紙
〔書き出し]
歳晩の候、クリスマスのイルミネーションが街に輝いています。お元気でしょうか?
歳晩の候、ポインセチアの真紅がひときわ目を引きますね。お元気ですか?
〔結び〕
寒い日が続きますが、お体に気をつけて、お過ごしください。
寒い日が続きますので、どうぞお健やかにお過ごしください。
さいごに
「歳晩の侯」は、年の暮れに使う時候の挨拶です。
「歳晩の候」の読み方は、漢字の部分を全て音読みにして、(さいばんのこう)と読みます。
「歳晩」の意味は、歳末、年の暮れ、年末となります。
「侯」は、天候、気候、季節を表す言葉で、「〇〇の侯」は、「〇〇の季節になりましたが‥」という意味になります。
ですので、「歳晩の侯」の意味は、「年の暮れの時期になりましたが‥」となります。
「歳晩の候」の使える時期は、12月。
特に、12月の下旬頃です。
ということで、この冬、あなたも、歳晩の侯を使って、年の暮れの慌ただしい時期に、お相手の体調を気遣う手紙を出してみてはいかがでしょうか?
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