手紙やビジネス文章を書くときに用いる時候の挨拶。
季節を表現した日本ならではの条件です。
時候の挨拶の一つに、深秋の候があります。
深秋という漢字のニュアンスから、秋の深まった頃に使うのかなと思いますよね。
具体的には、いつからいつまで、使える時候の挨拶なのでしょうか?
深秋の候の読み方や意味、使える時期や、具体的な挨拶文の例文などについて、ご紹介したいと思います。
1.深秋の候の読み方と意味は?
「深秋の候」は、時候の挨拶の中でも、漢語調の表現です。
「深秋の候」は、漢字の部分を全て、音読みにして、(しんしゅうのこう)と読みます。
深秋とは、冬になろうとする時期で、「1年のうちで、自然が一番物悲しい時期」とか、「秋が深まった頃」という意味があります。
「候」は、季節や天候を表す言葉で、「〇〇の候」は、「〇〇の季節になりましたが‥」という意味が込められています。
ですので、「深秋の候」は、「秋が深まった時期になりましたが‥」という意味になります。
同じ時期に使える時候の挨拶は、他に、秋の深まりを表した「新秋の候」、秋の終わりを表した「晩秋の候」などがあります。
2.深秋の候が使える時期は?
「深秋の候」の使える時期は、いつからいつまでなのでしょうか?
実は、この時候の挨拶には、はっきりとした時期が決められていません。
ですが、霜降(10月下旬頃)から、立冬(11月上旬頃まで)に使われるのが一般的です。
11月中旬や、下旬になると、暦の上では、もう冬となりますので、秋の終わりを示す「深秋の候」を使うのは、ふさわしくないと言います。
3.深秋の候を使った例文
ここでは、「深秋の候」を使った例文をビジネス・公的な手紙、上司・恩師に送る手紙、友人・知人に送る手紙の三つのシーンに分けて、ご紹介します。
3-1.ビジネス・公的な手紙
〔書き出し〕
拝啓 深秋の候、木の葉が舞い散る秋が深まってきた今日この頃ですが、貴社、ますますご繁栄のことと、お慶び申し上げます。
拝啓 深秋の候、朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。貴社におかれましては、益々ご健勝のことと、お慶び申し上げます。
〔結び〕
向寒の折、くれぐれもご自愛ください。敬具
夜寒の折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。かしこ
3-2.上司・恩師に送る手紙
〔書き出し〕
拝啓 深秋の候、朝夕は、寒さがひとしお身にしみるようになりましたが、お元気でお過ごしですか?
拝啓 深秋の候、夜の寒さが一段と堪える季節になりましたが、いかがお過ごしですか?
[結び]
本格的な寒さに向かう時節、風邪など召されませぬよう、ご自愛くださいませ。かしこ
向寒の折、何卒、お身体おいといください。かしこ
3-3.友人・知人に送る手紙
〔書き出し]
深秋の候、いつのまにか、めっきり寒くなっていきましたが、お元気ですか?
深秋の候、虫の声もいつしか消え、晩秋の冷気を感じる季節になりましたが、いかがお過ごしですか?
〔結び〕
ゆく秋の寂しさ身にしみるこの頃ですが、体調を崩されぬよう、十分ご注意ください。
追々寒さに向かいますが、風邪などひかれませんよう、暖かくしてお過ごしください。
4.さいごに
「深秋の候」は、秋に使える時候の挨拶です。
「深秋の候」の読み方は、漢字の部分を音読みにして、(しんしゅうのこう)と読みます。
時候の挨拶は、漢字を音読みにするのが一般的です。
「深秋の候」の意味は、文字どおり、「秋も深まる時期」を指しています。
「候」は、天候、季節を表す言葉で、「〇〇の候」は、「〇〇の季節になりましたが‥」とういう意味合いが込められています。
ですので、「深秋の候」は、「秋が深まる時期になりましたが‥」という意味になります。
「深秋の候」の使える時期は、霜降(10月下旬頃)から、立冬(11月上旬頃)までがぴったりです。
意外と短いので、注意が必要です。
ということで、あなたも、この秋、「深秋の候」を使って、親しい方や友人に、深まりゆく秋を感じさせる手紙を書いてみてはいかがでしょうか?
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