ビジネス文章や就職活動のお礼状など、手紙の冒頭で使用する時候の挨拶。
使う時期や使い方を間違うと、恥ずかしい上に相手に悪い印象を与えてしまいかねません。
今回ご紹介する「春粧の候」は、今ではあまり使われなくなっている時候の挨拶の1つです。
きれいな日本語なので、上手に利用してみたいですよね。
「春粧の候」の読み方や意味、手紙の文面についてまとめました。
手紙を書くときの参考にしてみてください。
春粧の候の読み方と意味は?
「春粧の候」の読み方は、漢字をすべて音読みにして「しゅんしょうのこう」。
本来は「しゅんそうのこう」と読みますが、一般的には「しゅんしょうのこう」と読まれていることが多いです。
意味についてですが、春粧とは「春らしい季節の到来」を指します。候は、天候や気候を表現します。
「春粧の候」は、「すっかり春らしい季節になりましたね」という意味になります。
春粧の候の使える時期は?
「春粧の候」は、桜の花が咲いたり木の芽が芽吹いたりするような頃に使いたい時候の挨拶です。
基本的には4月の上旬から下旬まで使うことができますが、桜が散り始める時期に使うことは避けたい言葉でもあります。
住んでいる地域によって桜の散る時期は違うので、手紙を送る相手の住んでいる地域の気候を考えて「春粧の候」は使うようにしましょうね。
多くの地域で桜が開花して散るのは、4月上旬から中旬にかけて。
この間に「春粧の候」は使われることが多いようです。
春粧の候を使った例文
「春粧の候」を使った例文です。
ビジネス・恩師・知人、送る相手によって使える文面をまとめました。
手紙の冒頭・結びについて参考にしてみてください。
ビジネス・公的な手紙
[書き出し]
・拝啓 春粧の候、貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 春粧の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 春粧の候、貴社ますますご発展のことと心からお慶び申し上げます。
[結び]
・皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。敬具
・貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。敬具
・一層のご活躍をお祈り申し上げます。敬具
上司・恩師に送る手紙
[書き出し]
・拝啓 春粧の候、〇〇様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
・拝啓 春粧の候、皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
・春粧の候、春の日差しが心地よい季節となりました。
[結び]
・くれぐれもお体はご自愛いただき、健やかなる日々をお過ごしください。敬具
・新天地でのご活躍を心からお祈り申し上げます。敬具
・新年度となりご多忙のこととと存じますが、健康にはご留意ください。
友人・知人に送る手紙
[冒頭]
・桜やたんぽぽの花が咲く季節となりました。お変わりなくお過ごしですか。
・春らしい日差しが感じられる頃になりました。
・春風が気持ちのいい日々が続いておりますが、お元気でしょうか。
[結び]
・〇〇様のご多幸を心よりお祈りしております。
・花冷えの季節でもございます。体調を崩されないようお祈り申し上げます。
・またお会いできる日を楽しみにしております。
春粧の候を使う時期の口語調の挨拶
「春粧の候」を使う時期の口語調の挨拶についてまとめました。
口語調にすると、柔らかい表現となって親しい人に送る手紙にぴったりですよ。
・あちらこちらで春の気配を感じられる頃になりました。
・暖かさを増し、日中は汗ばむ陽気の日もありますね。
・花冷えの日が続いておりますが、お元気でしょうか。
さいごに
「春粧の候」は、4月上旬から中旬に使われる時候の挨拶です。
読み方は「しゅんしょうのこう」で、「すっかり春らしい季節になりましたね」ということを意味しています。
手紙を受け取る側の地域で、桜が開花しているか・散っているかで「春粧の候」を使うかどうかを考えましょうね。
4月は就職・入学・引っ越しなど新しい生活をスタートさせる人が多い時期です。
いつもはメールで連絡を取る間柄でも、今年は手紙を書いて近況を伺ってみてはいかがでしょうか。
よろしければクリックおねがいします!